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 二〇一〇年末から始まった中東の民主化運動「アラブの春」。エジプトでは、昨年二月にムバラク前大統領が辞任に追い込まれているが、ようやく大統領選の日程が決まった。五月に最初の投票を行い、六月二十一日に最終結果が発表されるという。



 三月十日から始まった立候補受付の締め切りは四月八日だが、エジプト初の民主的な大統領選だけに、候補者も乱立気味。約五百人が立候補を目指しているというが、その顔ぶれもなんとも多彩だ。



 裁判官、弁護士、教師、退役軍人まではわかるが、配管工に諜報機関員、パティシエ、メイド、レストラン経営者、清掃員、葬儀屋などなど、バラエティに富んだ候補者リストに国民は沸いている。



 もっとも、そうした者たちはやはり泡沫。有力候補と言われるのは、ムバラク時代の外相も務めたムーサ前アラブ連盟事務局長、元首相兼中将のシャフィク氏らだ。



 ムーサ氏はムバラク氏が辞任する一週間前、タハリール広場で演説して大衆の側に立った。また、ムバラク氏と同じ元空軍司令官のシャフィク氏は、「治安維持と失業問題の解決のため大がかりな投資計画を実行したい」と抱負を語っている。



 最年少候補は人権問題に取り組む四十歳の弁護士、アリ氏。かつて、最低賃金法の必要性をムバラク大統領に受け入れさせたメンバーの一人として知られている。昨年のデモで中心的役割を演じたのは若者たちだったが、昨年から今年にかけて行われた議会選挙では若者を代表する候補の多くが落選し、宗教色の強いムスリム同胞団が勝利した。その巻き返しを図るために若者たちが送り込んだのがアリ氏である。



 一方、白熱する選挙戦ではすでに有力候補一人が襲撃される事件が起きている。二月二十三日夜、ムスリム同胞団の元幹部であるアブフトゥーフ氏は、遊説を終えてカイロに戻る途中に三人組に車を止められ、ライフル銃の台尻で頭を三回殴られた上に車を奪われた。ムスリム同胞団は大統領選に候補者を出さない方針を決めており、彼は同団から離れて無所属での出馬を表明していた。偶然ではなく狙われたものと見られている。



 果たして選挙は無事民主的に行われるのだろうか。 (ジャーナリスト・小山貴)



(週刊文春2012年3月29日号「THIS WEEK 国際」より)





(この記事は海外総合(週刊文春)から引用させて頂きました)



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